「クラウドはプラットフォームである」というと「なにを当たり前なことを」と思われるかも知れませんが改めて考えてみると面白いなぁと思っています。
プラットフォームというのは、その上でアプリケーションを作るための土台です。土台はAPI(規約や構成なども含む)によって抽象化されて提供されます。エンジニアはAPIだけを意識していればコーディングを行うことができます。
一般的にはチップやOSなどから、Javaプラットフォームのような言語実行環境をさしていまが、少し拡大解釈すると、アプリケーション・フレームワークもプラットフォームと呼べます。「Servletは使ったことがないですが、Strutsで開発しています」などと聞くと、Strutsのプラットフォーム性が分かります。さらに、SugarCRMやPentahoといったOSSの特定用途向けアプリケーションも、同じようにプラットフォームだと考えています。
この流れの延長としてクラウドを考えてみると、エンジニアにとっての抽象化がどんどん進んでいることが分かります。たとえば、つい先日、SUNが発表したCloud Open APIは、クラウドのプラットフォーム性をうまく伝えています。標準化されたRESTful(URLベースの) APIによってクラウド上の様々なリソースを操作することができます。具体的な資料が見あたらないのですが、このビデオによると、たとえばMySQLをアタッチして、起動や停止を行い、デタッチするなんてこともURLベースでアクセスできるようになっています(McClanahanが関わっていたようですね)。
さて、クラウドがプラットフォームである以上、それを使いこなし、可能性を引き出すのはエンジニアのはずです。そんなことを考えながら、UNIX MAGAZINE 2009年 04月号 (2009年3月18日発売)の特集「クラウドをつかむ」の最終章で「クラウドの可能性と課題 - クラウドは企業ユーザーに受け入れられるのか?」というのを寄稿させていただきました。特集の執筆者は、けっこう豪華です。網羅的かつ、深めの内容でたっぷり80ページ。
丸山不二夫 - クラウドの技術的特徴
丸山不二夫 - Windows Azure のデータベース SDS
中田秀基 - Google App Engine
浦本直彦 - Amazon Web Services (AWS)
藤田昭人 - Hadoop / MapReduce
岡本充洋 - Force.com マルチテナントアーキテクチャ
佐藤直生 - 分散インメモリキャッシュとデータグリッド
首藤一幸 - スケールアウトの技術
萩原正義 - クラウドの開発手法とデータモデル
浅海智晴 - クラウドモデリング
鈴木雄介 - クラウドの可能性と課題
僕は一人だけ技術から離れて、「クラウドを活用するのはエンジニアだ」というのを書いてみました。Slaesforce.comなど、すでにエコシステム(経済圏)を作り始めている企業もあります。栗原さんのDreamforce便り(1):メッセージングはクラウド一色では、こう書かれています。
コンサルティング会社も数多く出展しておりSalesforce.com社をプラットフォームとしたエコシステムが確実に構築されているように見えます。「クラウドが普及するとSIerの出番はなくなる」という見方はどう考えても間違ってると思えます。
クラウドは間違いなくBuzzです。ハイプを上っているものの真価を見極めるのは簡単ではありません。でも、まぁ、気軽に(ヤケドをしない程度に)楽しんでみることも大事。この雑誌はコードもたっぷり書かれているので、エンジニアにとっての入り口としては面白いと思います。よろしければ手にとってみてくださいませ。
![]() | UNIX MAGAZINE (ユニックス マガジン) 2009年 04月号 [雑誌] 角川グループパブリッシング 2009-03-18 by G-Tools |

