いよいよ最終回、日経SYSTEMS3月号の連載コラムです。基本的にはデブサミでやった「デブサミ2010 - これからのアーキテクチャを見通す」と同じ内容です。
まずは問題意識。
2000年から2009年までの10年間の情報システム市場は成熟期の苦しみであったといえる。パッケージ・ソフトや開発ツールの進化,オフショア開発の台頭,オープンソースの普及など新しい技術や開発手法が断続的に登場し,開発生産性は飛躍的に高まった。しかし,人月モデルは変更されず,生産性向上要素は情報システム開発事業者にとって両刃の剣であった。一方,情報システムはユーザー企業にとって重要ではあるものの,その度合いは段階的に引き下げられていった。情報化投資は縮小し,景気が回復しない限り増加することはないだろう。
デブサミの資料にあるとおり2002年からは1%成長しかしていません。しかも、ここ数年での変化は常に光と闇がありました。生産性向上が売上増加に繋がらないという話は有名ね。他にもオープンソースは多くの開発者を助けましたが、一方で価格破壊を招き、能力格差を広げてしまったと感じています。製品の変化が早すぎるためノウハウはすぐに陳腐化し、ベンダーサポートがないため手厚い教育は受けられません。
これからの10年を考えたとき、やはり旧来型のSIビジネスが成熟期から衰退期に向かうことは避けられないと見るべきでしょう。しかし,新しい企業システム開発市場が生まれるという予感があります。例えばクラウドですね。
クラウドが示したことは,「システム開発が作り手(開発者)の論理から,使い手(ユーザー)の論理に移行している」ということだ。これは産業の根本的なあり方を変える出来事である。企業システム開発は家内制手工業の時代からようやく脱しようとしている。「課題を分析して最適なソリューションを提供する」というのは,聞こえは良いが,その実は原始的な産業スタイルである。
この変化はクラウドだけではありません。リーンやOSGiも、その一旦でしょう。兎にも角にも、これまでの常識にとらわれず、ユーザー視点で"価値があること"を見抜く視点が必要なのです。
さて、これで2年半(全30回!)の連載も終了です。始めたときは1年ぐらいで終わると思っていたので、こんなに長期にわたって続けられたことに驚いています。まずは編集の松山さんに感謝です。毎月のように編集&校正バトルのなかで文章を磨いていただきました。また、読者の方にも感謝いたします。僕のコラムは「高評価ランキング」と「悪評価ランキング」の両方に同時に入賞することがあったそうで、そういうよく分からない連載を続けられたのも皆様からの反応があってのことです。
連載はつらいですが毎月のアウトプットとして続けるのは大事な習慣なので、また、どこかでやりたいと思っています(誰か仕事くださいw)。では、また、どこかで。
