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SIerとクラウドの付き合い方

 日本Javaユーザーグループのイベント「アマゾンEC2 ナイトセミナ 第 1 回」にて「SIerとクラウドの付き合い方」というのを話してきました。弊社の今村が「SIerにおけるSaaSへのトライ @Amazon EC2」という内容を話したのですが、前半部分について資料を詰めている最終に「オレにしゃべらせろ」ということになり前半だけ話をしました。スライドはSlideShareのコチラからダウンロードできます。


 少し内容に触れておきます。最近SIerがだいぶヤバくなっている件 - GoTheDistanceなど「SIerがやばい」ということは言われます。それに対して以下のような問題があると盛んに指摘されます。

・ユーザー側に技術系リテラシがない
・多重下請け構造
・判断が遅い、レビュープロセスが重厚長大
・技術が古い
・保守運用やハードウェアが高い
・一括請負契約

 では、本当にこうしたことは解決すべき問題なのでしょうか?そうとも言い切れないのです。こうした問題は必要性があって最適化されてきた結果なのです(参照:がんばってるけど顧客のためになってる?と悩むあなたへ)。

・ユーザー側に技術系リテラシがない
 ->SIerが技術トレンドや業界動向に関する一括変更を担保
・多重下請け構造
 ->段階的なリスクヘッジと人的リソース調達の柔軟性確保
・判断が遅い、レビュープロセスが重厚長大
 ->監査、内部統制、リスク管理は当然やるべき
・技術が古い
 ->プロジェクト管理精度向上のために技術抑制は必要
・保守運用やハードウェアが高い
 ->SIerが顧客側の開発時一括コストを負担
・一括請負契約
 ->サブシステム間、チーム間での調整をSIerが実施可能


 もちろん、「だから問題ない」と言うことではありません。今の経済環境にマッチしていないのは事実。でも、だからといって簡単に「○○を壊そう」なんて気軽に言えるほど、会社も社会も急に方向転換できるものではありません。

 ですが、このままでは死んでしまう。だから"自分が"努力はしないといけない。業界の構図は、残念ながら、そうそう変わらないでしょう(そう言う意味で、ひがさんの悲観的予測はすごく正しいと思う)。

 その努力を助けてくれるものとしてクラウドがあげられます。


 まずはクラウドの状況ですが、僕はクラウドを"サーバサイドコンピューティングリソースにおける圧倒的な「規模の経済性」の実現"だと思っています。これを利用した"クラウド経済圏"が生まれつつある。

 「エコポイント」の申し込み画面はクラウド上に。開発期間わずか1カ月? - Publickeyで紹介されているエコポイント交換申請サイトは分かりやすい事例です(ちなみに、この記事は事実を積み重ねた考察を行っており非常に優れた記事です。コメント欄に書かれた宇陀社長のコメントも含めて必読です)。

 このサイトはSalesfoce.comのForce.com Sitesを利用しており構築期間は1ヶ月以下です(担当者は、それなりに死んでいたようですが。でもGJ)。官公庁が主体で、かつ全国民が利用する可能性があるサイトです。それが、おそらく月額数万円で動いている。

 ところが、これはSIerに取ってはハッピーな話ではありません。この案件の儲けどころはエコポイントの広告や事務処理であって、システム構築ではないのです。

 また、クラウドで生きることに決めたSIerも出てきています。Dreamforce便り(1):メッセージングはクラウド一色 - 栗原潔のテクノロジー時評Ver2に書かれている通り、プラットフォームに独自のエコシステムが生まれつつあります。

 日本でも、このモデルにシフトした会社はあるようですが、中規模以上のSIerでは、これだけで喰っていくのは厳しいでしょう(ただ、可能性はあります)。


 ようは、今、世界で起きているクラウド経済圏に対してSIerがフツウに飛び込んでもなかなか儲からないのです。一部の巨大ベンダーは自社でクラウドを構築していまずが、それ以外の大抵のSIerにはそんな体力はありません。


 でも、なにかSIerが生き残るためにクラウドを使えないか?例えば弊社ではSaaSのインフラにEC2を採用することで価値を生み出しています。

 SIerがいきなりSaaSの収入だけで生きているのは相当難しいはずです。会社のモデルがそうなっていませんから。でも、SaaSという形態を通じて顧客と対話することができます。それによって自社の価値を上げることができています。

 もちろん、これが正解ですとは言いません。でも、なんとか生き残ろうと思ったときに、クラウドが味方になってくれる可能性は高い。そして、そこで得た経験が、必ずフツウのSI案件にも活きてくる。


 Big waveが来てしまった。そのままでは転覆してしまう。イマココです。

 では、どうするのか?今の時代には、ここで努力することを助けてくれるツールが色々とある。クラウドも1つだし、OSSも1つです。あるいは組織や開発のあり方を問い直しても良い。その他、なんでもいい。ともかくもがいてみる。数多く試すことが、自らの力を高め、次の向かう活力になると思います。

 SIerがヤバイ。その通り。じゃ、どうするかといえば皆が少しづつ努力して動くしかないのです。正解があるわけじゃない。議論をするだけでは経験は前には進みません(参照:門番を問いただす意味)。「なぜSIerがだめなのか」を議論していて、もし、その原因が分かったとしても、何も解決しないのです。手を動かして前に進みましょう。そうすることでしか変わっていかないのです。

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ですが、このままでは死んでしまう。だから”自分が”努力はしないといけない。業界の構図は、残念ながら、そうそう変わらないでしょう(そう言う意味で、ひがさん... [詳しくはこちら]

コメント (2)

hide:

はじめまして。
昨日、講演を聴講しました。
官公庁のシステムを組んでいる
私ですが、エコポイントは
驚きでした。
国が持ってる情報の処理なんて、
膨大に多く、年次処理なんかは
圧迫度が激しいので、
クラウドを使うのがありな
世界になる事を願っております。
※ちなみに、Springのセミナー
でもお知恵を頂き、
さっそくLog4jを使うのやめて、
アプリ開発を行いましたです。


yusukeです。hideさん、こんにちは。
エコポイントは面白い事例ですね。これに限らず、スピード感を求められる案件にクラウドを利用するのは価値があると思います。

公共クラウドは船頭は動き出したのですが、船が動くかは難しいところ。集約すればいろいろと可能性はあると思うのですが。

また、どこかでご挨拶させてくださいませ。

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2009年07月28日 00:29に投稿されたエントリーのページです。

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