さて昨日の続きです。そもそも「問題を発見したら質問をしてくれる」ということもちゃんと考えなくてはいけません。まず問題を解決するためのプロセスを考えてみましょう。
1.最初は問題が発生したことに気づいて認知します。
2.次に、この問題にどのように対応するのか計画を立てます。
3.そして行動に移して解決に向かいます。
この計画は重厚長大な書類ではありません。小さくて良いので「ちゃんと考えるているか」という感じです。では、これを絵にしてみましょう。

プロセスには「計画を立てる」と「計画を立てない」がある
ここで注意すべきなのかは問題解決プロセスを[1]のように正しく踏んでいるのか、ということです。計画をする、というのは予定を立ててリソース配分を行うということです。予定があれば行動段階で実績との誤差を把握することができます。この誤差が新たな問題として認識されると再計画を行っています。[1]というのはプロセスを繰り返しながらイテレーティブに進んでいきます。
ところが陥りがちなのが[2]のプロセスです。計画を立てることなく、いきなり行動に移します。これは「よく分からないからとりあえず行動した」という状態です。よく分からない以上、予定を立てるのは非常に難しくなります。行動して解決できないという判断をいつ行ったらいいのかが分かりません。ですから、解決に向かったらそれまで、ずっと同じ行動を続けます。これは一方通行に進んでいきます。
行動には「他人に聞く」と「自分で調べる」がある
一方、こうした実行される行動には「他人に聞く」(他人に見える行動)と「自分で調べる」というものがあります。
これは「他人に見える行動」と「他人に見えない行動」とい言い換えることもできます。もちろん一概にいえることではないのですが、聞くという他人とインタラクションするという行為を行っているかどうかは大きく違います。Googleなどを使うのは調べているのか、他人に聞いているのか微妙なところですが、チームに見えないという意味では自分で調べているに近いでしょう。
計画と行動でマッピング
この計画を立てるかどうか、というのと行動の種類を軸にマッピングすると、こうなります。なお、このマッピングでは問題が解決されるかどうかは別であることに注意してください。聞こうが調べようが問題が解決されるのとは直接関係ありません。ですが、多様な行動は解決策を発見する可能性を高めるのです。

さて、あなたに質問した人はAでしょうか、Bでしょうか。これは非常に大きな違いになります。Aの計画を立てた上で聞いている人には「何のために聞いているのか」「誰に聞くべきか」といった指針があります。あきらかに目的を持って聞いているのだから、それに答えてあげる必要があります。
その上で解決できなえれば、自分で調べるなり、また他の人に聞くなり行動を起すことができます。
一方、Bの場合には計画がありません。考えなしにいきなり聞いているわけです。こういう人は、のべつまくなしに聞きまくります。解決策を答えるか・考えさせるかという以前に、ちゃんと計画を立てさせなくてはいけないのです。「何を聞きたいのか」「誰に聞くべきなのか」といった説明を求めるところからはじめなくてはいけません。
では、一方のCやDの人はどうでしょうか。この人たちは自己解決に向かっており自分で調べています。ですが、Dは大きな問題を抱えています。Dの場合、解決するまで問題にはまり込んでしまい、いつまでもぐるぐると調べ続けてしまうという問題があります。そういう問題に限って仲間に聞けば5秒で解決したりします。
Cの人は調べても解決しない場合であっても「「調べるべき箇所」や「調べるべき時間」が明確なはずです。ですから、解決できなければ、再度計画を立てることになる、そこで聞くという行動に変更することができます。この方が問題が解決される可能性は高まります。
なお、Cの人でもいつの間にはDになることがあるので要注意です(僕、ありがち)。
頼りになるのは時間
では、CからDに陥らないためにはどうしたいいでしょうか。「調べる」という行為は回りに行動が見えません。ですから、Cであった人が、いつしかDに陥ったとしても周りは気づけないのです。
このとき頼りになるのが時間です。チームとしてのタイムボックスを作り、強制的に他人に見える形にさせてやります。よくやるのが朝会や夕会です。朝会や夕会の場で、なにか問題がないか、あるいは何を行動しているのかということを話してもらいます。これによって強制的に再計画の機会が与えられます。
そう、これってアジャイルの基本ですね。
「とりあえずやってみる」の危険
僕は「とりあえずやってみる」という言葉が非常に危険だと思っています。
計画を綿密に立てた上で「これはやってみるしかないから、とりあえずやってみる」というのは大賛成です。AやCですね。
ですがBやDの「よくわかんないから、とりあえずやってみる」というのは嫌いです。こういう場合にすべきことは行動ではなく計画立案のための”相談”です。小さな相談によって、どれだけの無駄がなくなることでしょうか。
「とりあえずやってみる」というチャレンジは綿密な未来設計とリソース管理とともに使われるべきです。こうしたチャレンジは失敗してもリカバリが利きます。というか、失敗する前にリスクに対処するので失敗することはありえません。
一番危険なのは「よく分からないからとりあえず待つ」みたいな行動です。積極的な待ちは解決の手段としては有効ですが、「よく分からないからとりあえず待つ」は問題の先送りです。絶対に解決手段になりません。
プロジェクトでも同じです。「よく分からないからとりあえず」はチームの活性度を下げ、問題に蓋をしてしまいます。朝会夕会は重要ですが、何のためにやっているのかを忘れてはいけません。
時間は刻々と過ぎています。あなたが望むか望まざるかに関わらず選択は行われてしまいます。だからこそ、小さくて良いからちゃんと計画を立てて望むことが重要なのです。
(って、自分にも言い聞かせてみる)
