知り合いに勧められて読んだ「リアリティ・トランサーフィン」ですが、けっこう面白かったのでご紹介。ただし、内容はそれなりにスピリチュアル系なので苦手な人は注意してください。このエントリはフィルタしてスピリチュアル分を少なめに書くので正確なことが知りたい方は本を読んでくださいね。僕自身は超能力とかUFOとか見たことないという意味ではまったく信じていませんが、まぁ、世の中にそんなんあっても別にいいかなぐらいの人です。
2009/11/10追記:
コメントをいただいたので追記。Nakagomeさんのご指摘通りスピリチュアルとオカルトは明確に区別されるもので、世の中で誤解を受けている言葉だと思います。どんな産業でも学問でも、つきつめていくと"見えないもの"に向き合う必要があって、その本質的な要素はスピリチュアル的です(アーキテクチャの美しさ、とかね)。本書は物理学者が書いているだけあってバランスもよいです(一部で超能力とかUFOが出てきますが、「そういうのもあるね」ぐらいです)。興味が出た方は、ぱらぱら見てもらえると学ぶことはあると思います。
本書のポイントは過剰なエネルギーを使わないことです。例えば何かについて「自分に自信を持とう!!」とか、逆に「自分に自信がない↓↓」といった状態は、プラスとマイナスは違いますが過剰なエネルギーだとされます(本書では『過剰ポテンシャル』)。
「自信がある」とか「自信がない」という言葉は、結局は評価を外部に委ねているように思います。何かをやれる/やれないというのは、最終的にはやってみなくては分かりません。「自信がある/ない」というのは他者に対する事前的な発言。その何かをやろうとせずに自信を付けようとがんばったり、自信がないことを悔やんでも何も変わらない。”自信”のことを考えているだけでは体験は前には進みまないのです。
ところが、人はナニカに執着し過ぎてしまうと次に進むことができない(恋愛でも、仕事でも、まぁ、同じですよね)。そういう執着する対象を本書では『振り子(ペンジュラム)』と呼んでいます。振り子は自分の信者をたくさん集めて、自分の振りをどんどん大きくしようとしています。そのために過剰なエネルギーを利用して、その人を自分の揺れに共振させてしまう。一旦、その揺れに取り込まれてしまうと、そこから抜け出すのが難しくなります。そういう存在が振り子です。
振り子から抜け出すためには、その"ナニカ"の重要度を下げることが大事です。
僕の例をお話ししましょう。僕は去年までITアーキテクトと名乗ることに自信がありませんでした。。ITSSのITスキル標準でのITアーキテクトの定義というのはスゴくて、僕の経験では絶対に該当しません。でも、あるときITアーキテクトという職業名には何の意味もないと気づいてしまった。そしたら、すごい気が楽になってアーキテクトを名乗ることができるようになったし、むしろ、アーキテクトとは何かを積極的に定義しようとしはじめました。
振り子的に説明すると、僕はITアーキテクトという振り子に巻き込まれてしまって、執着してたわけです。だから自信がないと思っていた。でも、それが大事でないと気づけたので、そこから抜け出して次に行くことができました。
では、どうやって振り子の重要度を下げるのか。ここがキモなのですが、僕なりの理解は振り子のルールを壊して重要度を下げてしまうことです。
ITアーキテクトになりたいと考え始めると辛いことになります。今の会社でそれだけの案件をこなすことはできないし、じゃ、いまから大きな外資系ベンダーに入って活躍できるかというと簡単ではない。そうやって論理的に考え始めても答えは見つかりません。これが振り子の戦略。どんどん思考の幅を狭くして、より捕らわれるようにしてくるのです。
そこで発想の転換です。そもそも僕はITSSに定義されたITアーキテクトになりたいわけじゃない。僕は自分自身が正しいと思う仕事をしたいだけで、それに近いのがITアーキテクトというタグに過ぎない。僕にとって、ITアーキテクトという肩書きが大事なわけではなくて、単純に良い仕事がしたいだけだったのです。
人は、何かに執着してしまうことは自分の問題だと考えがちです。お酒やたばこが分かりやすい。でも悪いのは自分ではなくて、何かの振り子があって、そいつが自分を巻き込もうとしているだけなのです。そう考えることで、執着の対象を外部化して観測することができます。プラスでもマイナスでも、自分が執着しているなと思ったら、それが振り子です。そうやって観測できれば、振り子のルールをずらして、いなすことができるようになります。
最近の思考法は、どうも自分自身を鍛えるマッチョなのが多い。先日のトークイベントでも「ライフハックは嫌いです」と言ったのですが、自分をハックしてクロックアップするような考え方は嫌いです。それって結局の所は「世の標準よりも優れる」ことが重視されていて自分の評価を外部に任せてしまっているのです。ようは「他人より優れたい」という振り子に捕らわれている。他人は他人、自分は自分です。自分のリズムを保って自然体でいるほうが絶対に無理がない。
そういう中では、リアリティ・トランサーフィンは中立的な捉え方で好感が持てました。自分の問題を外部化して冷静に対処するテクニックを、振り子という言葉を使ってうまく説明しています。問題の外部化はコーチングやファシリテーションでも一般的な手法です。
ちなみに世界観は量子力学をベースにしたパラレルワールド的な感じで、そっち系が好きな人なら理解できると思います(たまに微妙な表現が出るけど)。
まぁ、ピーター・センゲの『出現する世界』も、だいぶスピリチュアルだし、世の中的な流行もあるみたいなので耐性を付ける上でも、これぐらいは読んでも良いと思います。3冊目の超スピリチュアルな夢実現/幸福獲得法―振り子の法則トランサーフィンがまとめ的でよいのですが、スピリチュアル分が高めなので、1冊目の「振り子の法則」リアリティ・トランサーフィン―幸運の波/不運の波の選択から読んでいったほうがいいかも。
![]() | 「振り子の法則」リアリティ・トランサーフィン―幸運の波/不運の波の選択 須貝 正浩 徳間書店 2006-12 by G-Tools |
![]() | 「願望実現の法則」リアリティ・トランサーフィン〈2〉魂の快/不快の選択 ほおじろ えいいち 徳間書店 2007-07 by G-Tools |
![]() | 超スピリチュアルな夢実現/幸福獲得法―振り子の法則トランサーフィン (超★スピ) 須貝 正浩 徳間書店 2009-03 by G-Tools |




コメント (2)
スピリチュアルは【霊的】と訳されることが多いことばですが、オカルトを指すものではありません。
また、江原氏の話から連想される世界がスピリチュアルと同義というわけでもありません。
昨今、わが国で形成されているであろう概念や認識は、スピリチュアルという用語を使うことが好きな人が、たまたまUFOや超能力に興味を持つ人が多かったのことに由来するのではないかと思います。
しかし、それは世界的・国際的な視点とは著しくずれていると思います。
1999年のWHO総会では、健康の要件にspiritual【霊的】を加えて再定義しています。
http://bit.ly/145PxB
また、健康が特定の宗教や信条に依存しないように、スピリチュアルもそれらから独立して、人間としての存在の根底にある概念であると思います。
いわば、身体とか、地位・財産、所有物、社会的役割などから独立したところにある、すなわちそれら全てをなくしたとしても存在するあなた自身の本質であり、独自性・唯一性だともいえるでしょう。
肩書きや職業ではなく、あなたは一体誰でしょう。
いつ終わるか分からない有限の人生において、何を求め、何を行うのがあなたなのでしょう。
スピリチュアル。ぜひ、真摯に考えてみてください。
投稿者: Paul K.Nakagome | 2009年11月10日 10:37
日時: 2009年11月10日 10:37
yusukeです。
そうですね、スピリチュアルは誤解されていると思います。本書は哲学的なアプローチで世界が解釈されていて、バランスよくまとまっているので、紹介してみました。
よっぽどエセ科学のほうがオカルトなので、そこらへんを見分ける目をみんなが持てると良いのですが。
投稿者: yusuke | 2009年11月10日 12:31
日時: 2009年11月10日 12:31