アジャイルとリーンについて平鍋さんの『Agile から Lean への旅 -- UK Lean Conference を終えて:An Agile Way:ITmedia オルタナティブ・ブログ』に納得しました。
この絵が分かりやすいけどアジャイルとリーンが直交する関係に置かれています。簡単に書くと、リーンは「企業がお金をもらうプロセス」であり、アジャイルは「システムを作るプロセス」です。

企業システムのお手伝いをしていると、この直交する関係は悩ましい問題です。いかにソフトウェアを早く正確に作っても、それが企業にとっての価値、つまりお金をもらえることに繋がらなければ意味がありません。リーンは、この関係を改善しようとする取り組みなのでしょう。
僕が直交する関係についてリアリティを感じている理由を書いておこうと思います。
僕のキャリアは流通小売のIT子会社からスタートしました。本社である小売では「お金が入る=店頭で商品が売れる」ことです。僕の担当は商品管理でしたが、所詮、店頭に商品を並べるためのシステムに過ぎません(いや、もちろんそのために膨大なプロセスがありますが)。
あるとき隣の部署が担当していたPOSレジのシステムが停止したことがあります。POSレジが動かなければ入金処理ができません。僕の隣の部署はそれはもう大騒ぎです。そんなとき僕が相手をしていた本社側の担当者が「まぁ、お客様が買うなら売るさ。レジが止まろうが『申し訳ございません、お帰りください』とは言わないしね」と意外に平然として言っていたのです。その店頭の凄みが完全に分かったとは言いませんが、僕なりに「企業がお金をもらうことは、システムを作る事や動かすこととは本質的に違うんだ」ということを感じたのです。
別にシステムが止まって良いとか、無くても良いとは思いません。でも、多くの企業というのは本質的にはシステムがなくても動きます。だから、いかに効率よくシステムを作ったところで、やはりそれは作り手の自己満足になりがちです。僕が「アジャイルがユーザーの価値になる」という言葉に違和感を抱いていた理由は、こういうことなんだと思います(参考:『アジャイルは死んだのか』)。
日本のSIerにいる/いた人は、ここら辺の理解が大変だと思います。SIerではシステムが出来上がることとお金になることは同一です。平鍋さんも↓にあるように、どう描くべきか悩んでいるのではないでしょうか。
(自分用の注: このフローは製品開発のモデル、ITのユーザ企業のモデルであり、日本に多いソフトハウスやSIerのモデルは別途考察必要)
さて、リーンに取り組むためにはソーシャルな側面だけではなくて、テクノロジーの側面でも努力できることがあると思っています。『クラウドを超えた先の企業システム像』の後半に書いたことです。
アジャイル性を維持するためにはプロジェクトマネジメントや純粋な開発技術(TDD、言語など)だけではなくて、アーキテクチャも変化する必要があります。
これは、また別の機会に。
