ITが事務・業務効率化のツールからどこへ向かうのか。1つの答えが「見える化」に代表されるような広範囲を対象にした情報分析です。
業務効率化というのは、あくまでも個人の視点で語られがちです。個人が行っていた計算や整理作業を高速化、自動化することで「人の作業を代替する」わけです。
でも、それだけではITの持つ力を使いきってはいません。ITとは「情報をデジタル化して扱うための技術」のことです。デジタル化されたものは場所と時間を超えて共有することができます。
だかこそ、様々な場所で非同期に発生したコトを集めることができます。これは個人の視点ではなく、より大きく俯瞰したマクロ的な視点です。
もちろんデジタルデータは現場のすべてを示すものではありません。ビデオカメラも同じこと。テレビの向こうの出来ことが虚実入り混じって感じるのも、デジタル化された情報が端的にしかリアルを伝えないことを示しています。つまり「見える化」とは現場の*ある側面*でしかない。
しかし、そこに物語を与えることでリアルな現場を感じさせることができる。ただの数字に豊かな意味を見出すのは物語の力です。ある考え方、ある仮説があることで数字は意味をもち、現場のことを語りだします。だからこそ、その物語を前提にした視点によってコトをデジタル化していくのです。
最終的には現場で解決されなくはいけないことです。見える化は現場の状況を伝えるだけで、それによって何かが解決されるわけではありません。あくまでも「次の行動を導くためのきっかけ」にすぎない。
だからこそ、「次に何をすべきかがわかる」とような物語が必要があります。その物語を象徴するものが「視点」となります。
ITは視点ではありません。視点をもってマクロ的に見ることを支援するだけです。
ITは解決策ではありません。現場が解決を行うためのきっかけや支援をするだけです。
物語や視点を考えるのは人間の事な仕事です。そこを抜かしたITには、なんの力もない。ITアーキテクトの最初の仕事は物語や視点を見つけることにあると思っています。
