今週末は第4回サステナブルデザイン国際会議に参加してきました。午後からでしたが、非常にパワフルな講演が聴けて刺激になりました。講演のエントリは次回に譲るとして、合間に東京造形大学の益田文和教授に突撃して「ソフトウェアにデザインが足りないと思っているけど、どうか」というのを聞いてみました。
一言目が「インターフェースがダメだね」。僕が「ユーザーインターフェースの話ですか?」と返したら、「そういう一部分の話じゃない」と。
そもそもインターフェースは「接合部分、接触面、接点、仲立ち、連絡(係)、橋渡し(役)」のこと。益田先生は「ソフトウェアの役割はインターフェースだが、それが出来ていない」と言われているわけです。では、何と何を仲立ちするものなのか?
僕は話を通じて"人と仕事"ではないかと感じました。つまり、ソフトウェアは人と仕事をインターフェースするのです。
ソフトウェアを導入すると、なんでも複雑になる
益田先生は「病院でも役所でも様々な手続きがシステム化されているけど、家からパソコンでやろうが、窓口でやろうが、全てが複雑すぎる。ソフトウェアを使うならシンプルにならないと」と言われていました。
そうなんですよね。業務をそのままシステム化する、複雑な業務を複雑なシステムにするって、言ってしまえば誰にでも出来る。いや、むしろ、より複雑になることが多いのではないでしょうか。「ソフトウェアを導入すると、なんでも複雑になる」。
それは我々の構築過程にも問題があります。システム化しようと、人間が行なう作業では曖昧に進められていたプロセスをマジメに分析をすると、当然、明示される分だけ複雑になります。しかも、すべてのパターンを網羅することなんかできていないので、複雑なのに融通が利かないという状態に。
僕が「いまのソフトウェア開発はクライアントの業務を分析し、それをシステム化するというのが一般的になっているんですよね」と言うと「そこだよ。提案していかないとさ」とバッサリ。
そうなんですよね。ソフトウェアというのは人間が行なう作業に比べて正確無比で距離や時間を超えられるけど、融通が利かない。だから、人間の作業をソフトウェアに代替させようなんて考えても無駄。
人と仕事をインターフェースする
そうではなくて、人間がやろうとしている課題を的確に表現し、解決までのプロセスを導き、たどり着けるように支援し続ける。それが"人と仕事をインターフェースする"ということではないでしょうか。このインターフェースを考えることこそ、僕らが最初にやるべきなのです。
「それがデザインでしょ」と、さらっと益田先生に言われてしまいました。うん、確かに全然できていない。
ただ、簡単なことではありませんね。先生も様々な専門分野の知識が必要になるだろうと言われていました。少なくともソフトウェア工学だけではまったく足りない。心理学の各分野(認知、環境、生態)、グラフィックデザイン、それに言語、数学、経済、法/政治といったものも含まれるはず。そういった分野のプロフェッショナルを巻き込みながらソフトウェア作りをしていかないと、とても"人と仕事をインターフェースする"ことをデザインなんてできない。
ソフトウェアが人と仕事をインターフェースするようになるのは、まだまだ多くのことが必要そうです。
