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意味と技術から物を作るってこと

 もはや掛け合い漫才状態ですが、棚橋さんの「デザインをする人に求められる資質」より。

(デザインする人に求められるのは、)「人と物との関係性についての注文であり評価」。つまり物に意味を与えるということです。それがデザイナーに求められること。物自体をつくるのではなく、物に意味が与えられた状態を設計するんですね。

 そうなんですよね。で、読んだヒトが勘違いしないで欲しいのは「物として成立させる」ということ。その制約を外しちゃいけないんです。意味を与えれば良いんでしょ、みたいなノリでデザインするとひどいことになる。

 作りたい意味っていうのは現実世界にあって、とても曖昧で、ふわふわしています。意味だけを考えるだけなら、つまんない企画屋か言いっぱなしのコンサルになっちゃう。"物に意味が与えられた状態"っていうのは"物だけで意味を伝える"という究極の状態。その横にあなたがいてくどくど説明するなんてできない。あなたの頭の中で"正しい意味"があっても、それが形を通じて相手の中に生まれないと"意味がない"。物だけで意味を伝えることの難しさを考えると苦しくてしかたないわけです。

 しかも、物にする過程には技術の選択というものがある(広義の技術と取ってください。テクノロジーやテクニック、手法、メソッド全般)。物というのは技術で作られているわけですが、なんでも使える完璧な技術は存在しません。しかも、ステークホルダーはコスト、期間、品質をはじめ、本当に多くのパラメタを要求してくる。そういったパラメタを把握し、どういった技術を適用するのかという選択こそが、デザイナに求められていること。僕の定義ではアーキテクトに求められること。


 "表面だけの仕事"になっちゃうヒトでも「意味は与えています」なんて言ったりする。くどくど、説明をいただけたりする。でもね、それが物から伝わっている?長期的に安定した構造を持っている?物だけで意味を説明する、しかも、どれだけ長い時間それを維持し続けられるのか。これがデザイナーの勝負ですよ。


 与えたい意味と技術の狭間で選択を行い、"それ以外にありえない、あるべきカタチ"を探し求める。深澤さんがデザインの輪郭に書いた

そのものの内側から出る適正な力の美を「張り」といい、そのものに外側から加わる圧力のことを「選択圧」という。

という言葉は、意味と技術から物を作るというデザイナの仕事を的確に伝える言葉です。


こう書いた上で、「デザインをする人に求められる資質」...企画する資質、設計する資質、レビューする資質です。さらにひとことでいえば目利きの資質ということになる。

 うんうん。この目利きのセンス大事です。で、そのためにまず大事なのが、西村さんの言葉を借りると「世界を豊かに感じる」こと。お叱りモードで言うなら、石川さんの「多くの人が見過ごしたり見慣れたりしている何気ない街の様子に、引っかかったり驚いたり怪しんだりできないと始まんねえよ。たかだか20年間で育んだおまえの「あたりまえ」なんて全然だめでショボいことを思い知れよ。「デザイン」なんてそっから先だよ。」。


 まず、感じろと。体全体で何が起きているのかさぐってこいと。で、まんじりと分かってきてから、意味を考えてみろと。そこから、技術をとっかえひっかえしながら、どうやったら形になるのか検討していって、で、試作品を作ったらよくよく眺めて何度も意味を問いなおせと。そうやって、ようやくデザインという作業は進みます。

 どんなに短い期間の仕事でも同じですよ。ここのコダワリがないならデザイナにもアーキテクトにもなれないです。


 はぁ、熱くなりすぎた。僕も弱気になるとできなくなるので自戒も込めてみました。

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2009年06月03日 22:30に投稿されたエントリーのページです。

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