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ネット型生活投資者の投資プロセスモデル

 消費者の購買プロセスモデルとして有名なのがAIDMA [Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)]。それをネット化してDesireとMemoryの代わりにSearch、そして最後にShareを追加したのがAISAS [Attention(注意)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(行動)→ Share(意見共有)]。

 でも、これって購買プロセスに過ぎません。消費者の視点になってみれば購買というのは終了ではなく始まりです。経験価値・経験経済と言われて久しいのですから、ネットを使った経験プロセスモデルなんてあっても良いと思っています。ちょっと極端に新しい要素をいくつか盛り込んでみました。


消費者から生活投資者へ
 富の未来にも書かれていましたが、今の消費者にとって購買とは消費ではなく投資としての面が強くなっています。本を買う、エステに通うというのは消費(コストが消える)ということを意味するのではなく、自分への投資です。
 これは豊かさの意味が変わってきたからだと考えられます。一昔前は豊かさの証明とはモノを買うこと、あるいは買えることでした。しかし、現在の豊かさとは人としての豊かさ、例えば教養であったり美しさであったりするのでしょう。
 この投資に対して人々は対価を求めます。そうした対価の形は様々です。金銭かもしれないし、名誉かもしれない。なんにせよ対価を求め、対価を得られることで次の投資に繋がると考えられます。
 

同時アテンションの喪失
 次にはマスメディアの意味が変わりつつあります。もちろんTVや雑誌などのマス広告は重要ですし、将来に渡ってもなくなることはないでしょう。しかし、その利用方法は変わりつつあります。それは、同じコンテンツと同じタイミング(同時)に楽しむ必要性はなくなっている点です。
 それは人々の行動が多様になることで、コンテンツからコンテキストに注目が集まっているから。pinaさんのTHE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006から拾えば、

まず、Joiから「なぜ CONTEXTなのか?」の話。これから、CONTENTではなくCONTEXTが重要になっていくという。価値は情報そのもの以上にそのCONTEXT によって決まるということだ。たとえば、株価情報。同じ情報も15分経つと急激に価値が下がってしまう。情報は必要な時、必要なシチュエーションつまり CONTEXTで存在してこそ価値が高いということ。そしてCONTENTではなく価値を高めるCONTEXTをどう提供できるかが課題とした。

 ということです。マス化すれば規模の経済が働くことは間違いありませんが、それをいかに届けるのか。
 それを助けるのがWebまわりのテクノロジーです。株価であればモバイルによるネット証券をあげられるでしょうし、CMであればyoutube。自分が欲しいときに欲しい情報を手に入れたいというニーズは強くなっています。マスメディアが強力ですが、時間と空間の非同期化が強くなるのです。


ライブ・ライブ・ライブ
 では、新しいアテンションはどこから生まれるのか。ネットの時代になって皆が予想しきれていなかったことは、時間と空間の同時化が進んだ点でしょう。ネット上の関心空間で濃いコミュニティが形成されることで、その関心を実践する場としてリアルにあつまる効率が高まりました。結果として、同じ時間と空間を過ごすというのが前にも増して望まれるようになっています。
 人々はリアルの場で自分たちが"投資"した対象を見せ合い、情報を交換し、インスパイアされ、新たな発見を得ます。これはネットでは得られない強烈な体験になるでしょう。


ネット型生活投資者の投資プロセスモデル:IEPLD
というわけで、考えてみたのがネット型生活投資者の投資プロセスモデルの"IEPLD"(w。

 Investment(投資) -> Experience(体験・経験) -> Participate(参加) -> Live(ライブ・実践) -> Discover(発見)

 まず、ナニカのInvestment(投資)があって、Experience(体験・経験)をします。すると、それを共有したくなるのでネット上の関心コミュニティにParticipate(参加)します。そこで話が盛り上がれば皆で集まってLive(ライブ・実践)をします。そこで相手に対しても、自分に対しても新しいDiscover(発見)という対価が得られます。それが次の投資に繋がる。

 企業とのかかわりはInvestment (投資)だけでなくて全てのフェーズに存在します。というか、投資から後の流れ(コンテキスト)をきちんと抑えることが、次の投資に繋がってくるのです。
 まず、 Participate(参加)ではベースとなるコミュニティを形成することができます。最近では日本めがね党とか。Live(ライブ・実践)は場の提供と販促会。 Discover(発見)はリアルやネットでの情報提供。Experience(体験・経験)では、サポートサイトで使い方や消耗品の提供。
 これら全ては既存のマス広告の形が変化したものと考えればよいでしょう。広告費の使い方がコンテキストベースになってくることで、コンテンツを作るだけではなく流通経路が変わりシステム化が進みます(あぁ、これで広告市場6兆円がシステム予算にぃ(w )。


 今後、多くのナショナル企業、しかも100年以上の歴史を持つような企業がネットを利用したマーケティング戦略を本格化してきます。その中で間違いなく起きるのは彼らがこれまで築いてきた顧客ネットワークのネット化。それはこれまでのマーケティング戦略とは大きく異なります。しかし、彼らの顧客サービス力は強大です。100年間の強みがあればネットコミュニティに必要なモデレーター人材やコアコンテンツは腐るほどあるはずです。
 顧客の新しい投資プロセスモデルに注目することでどんどん移行が進むのではないでしょうか。

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2006年10月03日 15:45に投稿されたエントリーのページです。

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