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議事録を書くということ

 最近、やたらと議事録やコンセプトブックなどを書いています(その結果、ブログの文字量が減ってしまうのが僕の情けないところ)。本当は議事録を書くコツを書きたいところですが、まとまっていないのでだらだらと。

 議事録の宿命は全発言を書くわけではない、ということです。だから議事録を書くのは簡単ではありません。聞き上手だけでも書き上手だけでもだめ。まとめることが求められます。まとめるということは書き手の意図が含まれるわけです。
 では、書き手はどのように議事録を記述していくのか。そのプロセスには分析、構築、表現という3つがあると思っています。


分析:会議の編集構造を理解する
 議事録を書くのがうまい人は「議論している場の編集構造」と「議事録の構造」をきちんと使い分ける人です。ミーティングそのものをアジェンダを決めて構造的に進めることは重要ですが、そんなにきれいに話は進みません。その場だけが持つ話の構造というが存在します(話の流れとか場の空気と理解してOK)。まずは、その構造をきちんと把握することで重要です。
 
 話の流れを理解するためには発言者の背景まで考えることが必要になります。会議全体として編集構造を持ちますが、もちろん発言者もそれぞれの編集構造を持ちます。この理解が遅れると「発言の意図」を汲むことができません。可能であれば出席者の情報を事前に集めておくこと。それが無理でも名刺はじっくりと眺めて部署や役職は最低限確認しておきます。

 話が始まったら情報を瞬時に選別していきます。

 まずは「取らなくてはいけない言葉」は必ずメモリます。これは数字や人名、地名など議事録に必ず含まれるべき情報です。これは情報の重みがあるというものではありません。1は1だし、東京は東京です。ここで間違えるのは恥ずかしいので、こうした名詞、数字系はメモを必ず取ります。

 次に「何を言ったかではなく、何に対して言ったか」をつかみます。議題に対して話がたんたんと進むことはありません。あっちこっち飛ぶときに「いま何の話をしているのか」という話の軸を正確に把握することが重要です。やっかいなのは、この話の軸はどんどんぶれていくこと。前述のとおり参加者は背景が異なりますから軸のとらえ方も多様です。「その軸は、うちの部署ではこうなんだ」みたいなことがよくあります。

 最後が「はっきりしたこと」を押さえます。このはっきりしたことというのは決定事項ではありません。確認することがはっきりした、TODOだとはっきりした、曖昧だとはっきりした、などなど。もちろん決定したことがはっきりした、も含まれます。議事録は「はっきりしたこと」しか書けません。だって字にするのですから。はっきりしていない部分は、会議の最後にはっきりさせなくてはいけません。


構築:次の行動を導く構造を考える
 次の行動を導けない議事録に意味はありません。本来の議事録はただの記録かもしれませんが、それではビジネス上のミーティングでは役に立ちません。

 ですから議事録をまとめるためには「どのような構造にすれば読み手の行動を導けるか」を考えるところから始まります。時系列に並べるのがいいのか、トピックスごとに固めるのがいいのか、事項(確認事項、決定事項、検討事項など)ごとにするのがいいのか。ミーティングに出た人への確認という意味が強い場合は時系列が重要ですが、ミーティングに出ていない人に伝える場合にはトピックスや事項ごとが良いでしょう。
 事項ごとにまとめないにしても、依頼やTODOにはマークをするなど、これを読んで何をして欲しいかを明確にすることが大事です。

 僕は書き方の構造は多様でよいと思っています。いわゆる議事録本にはここしか書かれていないことが多い。アウトプットの仕方をたくさん知っているのは大事なことですが、パターンを絞ってしまうのは危険です。「この議事録は何のためなのか」を常に意識します。ここが分からない場合はミーティングのオーナーに速やかに確認しましょう。


表現:最も効果的なコミュニケーションを考える
 最後に、その構造をどのようなメディアでいつ、どこに発信するかが重要です。テキストなのか、パワポなのか。メールで送るかWikiにあげるか。会議後すぐがいいのか、翌日がいいのか。そして受信者は限定的なのか、公開型なのか。最後に関してはRSSなどのプル型メディアも多くなっているので選択肢は多様です。

 構築と同じですが議事録は単なる記録ではありません。議事録をきっかけに行動を起こし前に進むためのものです。ですから、議事録によっておこるコミュニケーションにも注目していかなくてはいけません。

 簡単なのはフィードバックを得られるようにしておくことです。メールであれば「返信下さい」でもいいし、Wikiであればコメントフォームを付けておく。フィードバックが得やすいメディア、得にくいメディアもあるでしょう。また、TODOリストへのリンクを行い、その消化状況を次回のミーティングで活用することも考えられます。


ミーティング中の議事録
 ちなみに議事録ドリブンでミーティングを進めるというエクストリーム・ミーティングでは、会議に参加しているメンバーが構造を共有できていることから問題ありません。ですが、その議事録を直接参加していない人に見せるとすると若干の構成変更をしたほうが伝わりやすい。会議の議事録をマインドマップを使った場合も同じです。

 ただし、そもそも編集能力が高い人が議事録係になると、会議中に書いた議事録やマインドマップが同時並行的に表現系の構造に変換されてしまう場合もあります。が、これは大きく個人の能力に依存するので「エクストリーム・ミーティングやマインドマップがすごい」という話とは別です。こういう人は話の流れをシーケンシャルに見ているだけでなく、トピックスの滞留を頭の中でやりながら枝付けして理解していきます。そして、大胆に構造を見直すことを躊躇しません。しかも、勘がいいから、そもそもトピックスの切り出し方がうまいわけです。


まとめ
 議事録は生き物です。ストック(蓄積物)ではなくフロー(浮遊物)、つまり行動と行動の間をつなぐたためのコミュニケーション・メディアとしてとらえたほうが良い。僕は議事録本を書くなら、こんな感じで組み上げるでしょう。

 そんなわけで、みんな議事録をばんばん書きましょう。

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2008年01月09日 17:56に投稿されたエントリーのページです。

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