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Facebook Platformから見る、次のアーキテクチャ

 Facebookの認知度は上がってきていると思います。2007年5月にFacebook Platformを発表して以降は「次世代のソーシャルOS」というラベルが貼られ、その動向が注目されています。10月24日にはMicrosoftが2億4000万ドルを出資し、評価額は150億ドル(1.7兆)に跳ね上がりました。また、11月2日に発表されたGoogleのオープンソーシャルに対しては当然のように参加を表明していません。


Facebook Platformとは
 Facebook Platformはサードパーティの開発者がFacebook上の情報を利用してアプリケーションを開発できる仕組みです。それだけならデータベース型ですが、加えて開発したアプリケーションはFacebookに登録することが可能です。Facebookユーザーはアプリケーションの一覧から欲しいアプリケーションをクリックするだけで自分のポータルに追加することができます。

米SNS大手のFacebookが「Facebook Platform」を発表
Facebook、「Facebook Platform」をローンチ-MySpaceとは対照的

 もう少し詳しく見ると大きく3つの形態があります。詳しくは川崎さんの「第13回 速報!Facebookアプリケーション開発(入門編)」を見てください。注目すべきなのはFBML(Facebook Markup Language)を使ったものです。


※上記サイトから直接引用

 見てもらうとわかるようにユーザーが利用するアプリケーションはFacebook内にあるわけですが、自分の持っているサーバとFacebookが通信をしてくれて、その結果を表示してくれます。自分のサーバから返すHTMLにはFBMLというJSPのタグリブのようなものが使えます。FBMLはFacebookによって解釈され、最終的な情報がユーザーに表示されることになります。JSPコンパイラに当たる機能をFacebookが提供していると思えばよいでしょう。FBMLによって、Facebookらしいデザインの上でユーザー情報の参照などを行うことができます。


プラットフォーム戦略の歴史
 さて、Facebookのとっている戦略は「プラットフォーム戦略」になります。振り返ればIBMやNECのハード型(ホストとオフコン)から、マイクロソフトのソフトウェア型(OS、ブラウザ、オフィス)、近年ではアップルのハイブリッド型(iPod+iTune)、Googleのあちら型(Gcal、Gmail...)などが当てはまります。また、Web2.0やWebサービスと呼ばれているのはデータベース型あるいはコンテンツ型と言えるでしょう。リクルートは各雑誌のデータ、価格コムは価格のデータベースを公開しました。テクノラティやGoogleサーチなども検索結果というコンテンツを扱っていると思えば近いものだと考えられます。さらにGoogle Mapsもエンジン付きではありますが地図というコンテンツを提供しているといえます。

 プラットフォーム戦略のメリットは強力なロックインです。市場で圧倒的なシェアを持ちロックインできれば、そこから派生的なビジネスで儲けることができます。GoogleのAdSenseは新しい儲け口を見つけた手法でした。Facebookも11月6日にはFacebook Adsというビジネスモデルを発表しましたが、大きな議論を呼んでおり成功するかどうかは未知数です(Facebook広告戦略に早くも反発が絶頂のフェースブック,画期的広告手法が落とし穴にこれはたしかにすごい! Facebookの「Social Ads」)。


Facebookのプラットフォーム論
 では、Facebookの魅力はなんなのか。Facebook Platformで特徴的なのは前述の通り自サーバと通信できることです。これによって自分の手元にある情報を送出することが可能になるのです。さらにユーザー情報が参照できますからマッチングやレコメンドといった処理を加えることができます。
 大きくとらえればFacebookにインストールしたアプリケーションは自サービスのエージェントやゲートウェイだと考えることができます。Facebookに機能を足すという感覚よりも、Facebookを利用して自サービスを展開するといったところです。もちろん、これがWin-Winの関係を促すことは言うまでもありません。

 これまでのマッシュアップが自分のサーバで動かすために他サーバのデータを読み込んでいたのと比べると逆の発想になります。
 これは積極的なマッシュアップというか、SNSビジネスのプラットフォーム化というか、なんにせよビジネス化を意識した取組であることは間違いないでしょう。手法としてはデータベース型の延長にすぎないわけですが、なにか新しい意味を予感させます。

 なおSacelsforce.comのAppExchengeは異なると考えています。AppExchengeは、あくまでもSalesforceの機能を追加するためにアプリケーションが作られます。ですから開発者はSalesforceのアプリケーション・フレームワークを利用して開発を行います。またAppExchengeの名が示すとおりアプリケーションのマーケットであり、アプリケーションの利用料を開発者に対して支払っていきます。

 あと以前レポートしましたが笠原さんは「mixiでもアプリケーション・プラットフォームの解放はするがmixi上で動くものにするだろう」と述べられていました。これはSalesforceと同じ考え方でmixiの魅力づけにはなりますが、サードパーティの開発者にとっての魅力が少なくなります。


まとめ
 アーキテクチャとして考えても、マッシュアップなどのメッセージ指向データ統合の次としてFacebook型のプラットフォームは興味をひかれます。
 エンタープライズシステムでは企業内で統一すべき顧客、商品、会計といった情報と、部門ごとのマスタ/トランザクション情報を分離して考えてもいいはずです。その場合に、個別システムの分散を維持しつつ、中央でプラットフォーム的な統合機能を提供するというのは魅力的な話です。現在はELT的なメッセージ交換がSOAの中心として注目されていますが、分散が進みすぎてメッセージ交換が複雑化してしまうと破綻をきたします。やはりマスタ管理は重要な作業ですし、大量のレプリケーションコストをかけてまで分散するメリットはないのではないかと感じます。統合と分散のバランスを取る戦略として、FBMLを含めたFacebookのアーキテクチャには魅力を感じています。

 

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コメント (3)

Kaz:

Facebookって今、エンジニアにとっても刺激的なところの一つになってるよね。かの地上の楽園と言われたG社からも人が流れているようです。
こういうダイナミックさってすごいよね。

ご参考までに、Salesforceでも他のWebサイトのデータは呼び出せます。

http://adnblog.salesforce.co.jp/2007/08/ajax_proxyweb_55af.html

SNSとビジネスアプリケーションというビジネス構造の違いはあれ、ハブとなるプラットフォーム、という意味ではそれほど違いはないと考えます。

Kazさん、そうっすねー。Facebookからは、あまりエンジニア臭がしないので今後どうなるのか注目かなと。

stomitaさん、確かにシステム上の大きな違いはないですね。ただビジネス構造の違いからくる細かな違いも大切かなと。FBMLにしても。

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2007年12月08日 13:03に投稿されたエントリーのページです。

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