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『ソフトウェアアーキテクトが知るべき97のこと』が発売されます

 僕が監修した『ソフトウェアアーキテクトが知るべき97のこと』(オライリー)が10月5日に発売されます(都内だと3日ぐらいには手に入るかも)。最後にイベントのお知らせもあるよ!


 原著は O'Reillyから刊行された『97 Things Every Software Architect Should Know』です。簡単に言えばエッセイ集で、数十人のソフトウェア・アーキテクトがwikiを使って書いたものから97篇を選んで収録してあります(日本でも有名と言えば、Enterprise Integration PatternsのGregor Hohpeさんでしょうか)

 日本語版は97篇の翻訳に加えて、僕の尊敬するアーキテクトに寄稿をお願いしました。マイクロソフトの萩原さん、IBMの榊原さん、匠Labの萩本さん、ユニシスの牧野さん、アプレッソの小野さん、パンカクの江島さん、“はてな”の伊藤さんと、なかなかの豪華メンバーになったと思います(僕も寄稿しました)。


 この本の監修を引き受けさせて頂いたのは、かねがね"ソフトウェアアーキテクトとは何か"というのを書きたいなと思っていたからです。ところが、これが難しい。アーキテクトという言葉自身が定義がしにくく、また曖昧なのです。日経SYSTEMSで連載している『ITアーキテクトの視点』でも、書いていることは視点や考え方であり、具体的な仕事のノウハウではありません。

 ならもう、自称ソフトウェアアーキクトの人たちが"感じてること"や"やっていること"を書いたエッセイ集を読んでもらって、浮かび上がってくるナニカがアーキテクトでいいじゃんかと。この本は、そういう開き直りのもとで監修されています。なので、これを読んでもアーキテクトの定義はよく分からないと思いますが「こういうことを考える人のことをアーキテクトって呼べばいいんだ」というのが分かると思います。


 でも、そもそもエッセイ集なんかに価値があるのか?なにも具体的な理論はないから、今日の仕事にも明日の仕事にも役に立たない。そこらへんは"はじめに"にも書きました。

最初に言わなくてはならないことがあります。残念ながら、この本を読んでも、あなたの目の前の問題が解決されることはありません。97編(+11編)のエッセイに書かれた言葉は、経験豊かなアーキテクト達のノウハウですが、具体的で実践的というよりも、本質的で概念的です。<中略>

では、本書は何のためにあるのでしょうか? それはあなたに勇気を与えることです。ソフトウェア・アーキテクト(あるいは、それに準じるような立場や能力を持つ人々)は実に中途半端な立ち位置にいます。ビジネスサイドの人間よりは技術に詳しく、プログラマ達よりはビジネスサイドの都合が分かっています。そのため、どちらに話をしても、あなたの真意をきちんと理解できる人はいないでしょう。<中略>

 そういう状況で、あなたは、あなた自身が最も良いと信じる方法、正確に言えば「これから先、このシステムに関わる全ての人たちのことをできる限り考えた上で、全員がなるべくハッピーになれる方法」を実行しなくてはいけません。これには大変な勇気が必要です。このために短期的であれ誰かが犠牲となることもあるでしょうからね。

 そんなときは本書を読んでみてください。これまで数多くのプロジェクトがあり、数多くのアーキテクトが、数多くの成功や失敗を重ねてきました。そうした経験から多くのことを学び、自分への誓いをたてているのです。「正しいと信じることを実行しよう」と。その誓いの言葉は、あなたが目の前の問題に立ち向かう勇気となります。


 上記の話は"ソフトウェアアーキテクト"だけに当てはまるものではないでしょう。プログラマにせよ、プロジェクトマネージャーにせよ「誰にも理解されないが、やらねばならないことがある」という状況は訪れます。そうしたときに自分を信じて実行できるのかがとても大事になります。

正しいと信じて実行したことでも、後になって間違いだと気づくことも、失敗したとはっきり分かることもあるでしょう。そうしたら、そこから学べばいいのです。正しいと信ずることを実行していれば、長期的に見て、必ずやあなたの糧になるはずです。

もし仮に、あなたが評論家のように「ほら、だから言ったじゃないか。○○をすれば良かったのに」なんて言ってばかりなら、あなたは体験から学べないばかりか、周りの人間から口先だけで何も実行しない人間だというレッテルが貼られてしまいます。


 題名にもあるとおり、本書の基本的なスタンスはソフトウェアアーキテクトです。とはいえプログラミングから、システム構成、ビジネス、チームビルディングまで幅広い分野が網羅されており、ソフトウェア開発に携わる人なら必ず参考になると思っています。ぜひ、ご覧ください。

 基本的な日本語訳は長尾 高弘さんにお願いしましたが、そこからかなりの時間をかけて推敲をしてあります。そもそもエッセイなので非常にくだけた英語が多かったり、たとえ話や英語の慣用句が多いのが苦労の元でした。


 さて、この発売を記念して10/17(土)の夜に池袋ジュンク堂書店にて日本人執筆者によるトークイベントを開催します。小さな会場ですので僕を含めて3人ぐらいでゆったりと話をしようと思っています。詳しい時間が決まったら、またブログで報告します(このイベントのために遠征してくるメンバーもいる予定です!)。


4873114292ソフトウェアアーキテクトが知るべき97のこと
Richard Monson-Haefel
オライリージャパン 2009-10-05

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2009年09月20日 22:12に投稿されたエントリーのページです。

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