« それってWeb2.0なんですか? | メイン | デブサミ2006 "Web2.0的SOA" 資料&デモ »

2つの交わらない世界

 "梅田望夫がブロガーと語る「ウェブ進化論」"のポッドキャスティングを聞いてみました。第一部を聞き終わった段階でエントリしています。

 第一部のタイトルは「これからのメディアについて」。ようはネットがメディアを殺すのは?という話。梅田さんの大きな立場は「それほどの再編は起きない」というものでした。
 逆に、再編は進むという話で面白かったのが2点。


コンテンツ流通はネット的になる
 まずR30さんが指摘していた「コンテンツ流通に関してはネット的をリアルが利用する(せざるをえなくなる)」。Googleの検索によってコンテンツを伝えたい人に伝えることができる、つまりマッチング率が非常に高くなったと。こうやってセグメントされた人々に対して新聞や電波を通じて最適なコンテンツを届けるようになるのではないかという話でした。ここまでくるとマスという概念が解体されているわけです。
 僕は「ネットによってブランド族(トライブ)が顕在化した」という感覚を持っているのだけど、それとすごくリンクしました。ま、新聞の紙面がカスタマイズされて届くというのはちょっと無理にしても、そうやって発見されたトライブにリアルをつなげるのは可能な気がします。


メディアが偏在するようになる
 もうひとつはメディアがいろんなところに存在するようになる。メディアの役割というのは3つあって、1.流通チャネル、2.コンテンツの生成、3.コンテンツの編集・パッケージ化というもの。1の流通チャネルについてはインターネットによって変革がありました。2については素人によるコンテンツがすごい増えたけど、プロがやるべきことの変わらずある。3については、実は企業がこれを取り込もうとしている動きがあると。
 これも納得。実は1の障壁がすごい高かったのをネットが取り払ってしまったので、2,3があればすごい簡単にメディアビジネスがはじめられてしまいます。で、2を持っている企業(話では自動車会社でしたが)にとっては、あとは3があればいい。マスメディアを使うコストをかけなくても、自分の力で最適なメディアを構築することができるわけです。これもまたマスメディアの崩壊。こういう案件が確かに増えていますね。


でも変化はゆっくりである
 で、こんなに面白い指摘があるのに梅田さんが「変化はゆっくりだ」と言い切っていた理由は明快。「(ネットで)情報を能動的に得ること」と「編集された情報を受動的に得ること」は根源的に重なり合わない。例えば、このポッドキャストに出てくる人をみんな知っているような人とは違う、まったく別世界の人がいて、その人にわかってもらうのはものすごいたいへんだと。
 しかも、お金のにおいもしない。レコードからCDは多くのマジョリティにメリットがあったから一気に移行したけど、リアルからネットは多くのマジョリティにメリットがあるとはいいがたいと。

 梅田さんの指摘ごもっとも。


どこにでもある2つの交わらない世界
 で、交じわらない2つの世界があるというのは、なにもメディア論だけではありません。はてなの伊藤さんが似たようなことをやってるけど実は違うことをやってる人たちに書いていたのはWeb業界とSIer業界。

具体的な一例としては「Java でミッションクリティカル」みたいなのと「Perl でアジャイル」というのが、似たようなことをやってるけど、実は全然違うことをやってる。その二つの文化は似ていて非なるものである。そういった話のことです。

で、この両者の構図っていうのが、梅田さんのイベントで議論になった「ネットとマスメディア」にすごくよく似てるんですよね。文化の違いとか、産業構造のちがいとか。

 これ、すごいわかります。SIer業界の中でも、Javaの中でも、もちろんある話です。なぜJavaでEJBが流行してDIコンテナがでてきたのか?とか。前に儲ける構図というエントリをしましたが、やはり大手ベンダーが思う方向に世界が進むというのが現実なわけです(ま、これも変化してきたようにも感じますがゆっくりですね)。

 結局は「能動的に情報を得て自分で考えている部分」と「周りが編集した情報に乗る部分」というのは誰の中にも存在していることで、その比率の大小はあるにせよ、そこは交わりがたいのだと思います。


2つの交わらない世界の融合
 で、「2つの交わらない世界」があるってことでいいと思います。もちろん、ゆっくりとネット的になっていくのは間違いないとしても、どこかには必ず存在する問題なんだろうし。

 ただ、僕はその2つを融合させようとすることがとても面白いです。

 梅田さんが「言葉を磨いて説明する」、R30さんが「コードを書け、結果を見せろ」、徳力さんが「面白いから伝えよう」というように、その世界を交わらせようとするのは面白い。

 変化かがゆっくりかどうか実はどうでもよいのかもしれません。たぶん急に変わったら、つまらなくなると思います。「なんだ、みんな知ってるじゃん」って(w。

 僕にできることは言葉やコードを尽くしてメッセージを発信することだけ。で、それでナニカを得てもらえばすごくうれしい。もちろん間違っているっていう指摘も大歓迎。それだってナニカを感じたって事だから。

 うん、楽しいことしようよ。もっと他にも融合させたいこと、いっぱいあるんだよねぇ。

(あ、今日のデブサミではSOAとWeb2.0を融合をテーマに講演します。講演後には資料とかあげます)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.arclamp.jp/mt33/mt-tracback.cgi/1541

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2006年02月10日 01:00に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「それってWeb2.0なんですか?」です。

次の投稿は「デブサミ2006 "Web2.0的SOA" 資料&デモ」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Creative Commons License
このブログは、次のライセンスで保護されています。 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス.
Powered by
Movable Type