正直、しばらくエントリできなかったのは、このネタがずっともやもやしていたからなのですが、まとまった気がするのでエントリ。
ブランドをハイジャックさせよ
まず、ブランド・ハイジャックという本を読みました。この本はマーケティングの本です。ブランドを消費者にハイジャックさせることで新たな価値を"共創"せよみたいな感じ。
co-create hijack = 共創型ハイジャック。ブランドのイデオロギーや使い方、ペルソナ(個性)などを生み出すようサブカルチャー層を取り込み、そうすることで大衆市場への道のりを整備すること。
ここで重要なのはインターネットの存在です。口コミで成功した「ブレアウィッチプロジェクト」はWebサイトで火がつきました。でも実はその裏に巧妙に仕掛けられたものがあったそうです。
また消費者の変化も感じられます。NIKEの刺青をいれたり子供にESPNちゃんと名づける。彼らはブランド好きをはるかに超えた次元にいます。それはブランドを軸にした新しい「Tribe(族)」なのです(参考エントリ:トライバルマーケティング)。
brand tribe = ブランド族。あるブランドへの興味を共有し、独自の価値観、習慣、言葉遣い、そしてヒエラルキーをつくる人々。
ブランド族は目に付きにくいです。それは彼らの求心力が他人には無意味だから。では、彼らにはどうアプローチすべきか?そこでもインターネットのコミュニティは大きな力を持ちます。
で、実はこの本の最後はキャズム論と同じ話になります(参考エントリ:キャズムを超えて、ブログはコンテンツになった)。
僕にはこの本がWeb2.0の話に見えて仕方ありませんでした。アーリーアダプターへのアプローチにはハッカビリティ(ハイジャックさせやすさというかw)が重要であり、そこから同心円状に広がっていくというわけです。Google Mapsですね。
音楽用語としてのマッシュアップ
一方で、最近マッシュアップという単語を調べています。そもそもはヒップホップのDJのリミックス手法です。もともとリミックス(コラージュとか)というスタイル自体は1970年代からあったわけですが、マッシュアップが一般的になったのはインターネットとmp3のおかげ。いわゆる寝室DJ(素人のDJ)が自分で作りネットで流通させたことから火がつきました(参考エントリ:表現の自由 vs 知的財産権)。
特に大きなムーブメントになったのが2004年はじめに作られたDJデンジャー・マウスの『ザ・グレイ・アルバム』といわれています。ビートルズのホワイトアルバムとジェイ・Zのザ・ブラック・アルバムをリミックスしたわけですが、大手レーベルがこれを訴えたことで大きな話題となりました。
ちなみにですが、Web2.0としてのマッシュアップは2005年4月頃に作られたhousingmaps.comが始まりです。これはGoogle Mapsとcraigslistのマッシュアップ。
Web2.0は遅れている?
で、この両方から感じたこと。インターネットの社会的影響は確かにすごくて、成熟した産業に対して深いインパクトを与えました。その一端がブランド族であり、音楽のマッシュアップなわけです。彼らは本当の意味でインターネットを使いこなしているなぁ、2,3年前から。
一方、僕のいる業界。いまさらWeb2.0でマッシュアップかよと。アプリケーションをマッシュアップして流通させるのではなくて、インターネットをプラットフォームにしてマッシュアップするというのはユニークなのかもしれませんが、そんなにすごいことでもない。
ようはIT業界(特にSI業界)というのがインターネットを活かしていなかったということなんだろうと。
好きなこと楽しいことをやるためにインターネットが便利だった
そして昨日、藤井さん@SUNが話してくれたこと。インターネットを活かす、というのはインターネットで儲けることが商売ではありません。インターネットを使って、なにかで儲けるということのはずです。
IT業界にもそういう人がでてきた。いい例がはてなの近藤さんです。近藤さんがエンジニア出身でないという話は有名でしょう。人力検索を立ち上げたい情熱から手段としてITを使った。あとはAmazonのペゾス氏(Googleは特別w)。
はてなの技術は(たぶん)すごくないと書きました(参考エントリ:オープンであれば技術力は(そんなに)いらない)。Amazonを真似することもそんなに難しいことではないでしょう(Googleは特別w)。
技術はすごくなくてもいいんです。目的は人々をつなげ新しい価値を生み出すことですから。いや、もっと原始的に好きだから、楽しいからというだけなのかもしれません。そのためにインターネットやスクリプト言語が便利だっただけです。
(ここから藤井さんとは次世代SIという話になったのですが、それはまた別の機会に)
それってWeb2.0なんですか?
で、気付き。いまどきWeb2.0で儲けようとしている人はインターネットを活かすという意味が分かっていない気がします。どうもインターネット上のツールや仕掛けを作ることが目的になっている人が大勢いるように思えてしまうのです。
それってWeb2.0なんですか?Web2.0って、自分で手を動かして、なにかを成すためにITやインターネットを使うことだと思います。成すべきことを持たない人が、単にツールや仕掛けをつくることはWeb2.0じゃない。
道具の良さを競ってしまうと代替案がうまれるから絶対に長続きしない。箱だけの話はどーでもいい。仕掛けや構造なんでどうにでもなります。
でも箱の中身は価値を生み続けます。その話にヒリヒリくるのかだけが重要。そしたら使いにくくたって使ってくれます。そして必要に応じて改造していけばいい。
del.icio.usがなぜ成功したのか?はてながなぜ成功したのか?彼らは一見道具を作っているように見えるけど、根幹にあるのは楽しい事をしたいという欲求なのだと思います。
はてなの伊藤さんがなんとか2.0って言うのをやめたとか、僕が最近の自称Web2.0的サービス群がぴんとこないって、こういうことかなって思いました。おまいら手を動かせと。
もしWeb2.0を学びたいならインターネットやマッシュアップやスクリプト言語やはてなや、いろーんな物に触れてください(ちなみに来週のデブサミではJavaでもマッシュアップが楽しめるという話をします)。
まず、そのスゴサを肌で感じてください。そして、あなたの中の好きなこと、楽しいこと、成したいことにリンクさせてみてください。
ヒリヒリ来た?なら、やりましょう。小さくてもいいから。
![]() | ブランド・ハイジャック~マーケティングしないマーケティング アレックス・ウィッパーファース 酒井 泰介 Amazonで詳しく見る by G-Tools |

