セス・ゴードウィン氏によればWeb2.0は技術ではなく態度です(Seth's Blog : Tim O. on Web 2.0)。では、なぜWeb2.0的であることは楽しいのか?
僕が思うに、それはWeb2.0がアートだから。
Web2.0を示す"Mush-up"という言葉は、元々ヒップホップのアーティスト達が、いろんな曲をコラージュして新しい曲を作り出すことをさします。
AJAXの楽しさはHTMLに従うのではなくHTMLをコントロールし、データを出力するのではなくデータを表現することです。
とくにハックは最高のアートです。僕がはてなマップをハックしてブックマークレットを作った時、いけないことをしているという感覚とともに、不思議な快感を得ることが出来ました。元々表示されていたHTMLをinnerHTML = ''でぶち壊し、同じデータを使って全く違う表現をする。そこには新しい表現があるわけです。
この快感はアートに他なりません。
もちろんソフトウェアをアートとして利用できた人間もいました。しかし、それはごく少数の天才・秀才に過ぎなかった訳です。しかしWeb2.0の技術的なリーチが非常に長く、そして、ソフトウェアが最も得意とする視覚に訴えられた(っていうかPCがそれ以外に訴えかけるのが難しいから)。
これまでアートを禁じられてきた何百万という人々が一斉にWeb2.0に飛びついたのは何の不思議もありません。
これまでのソフトウェア開発は、情報を入力し出力することが目的でした。しかし、Web2.0は情報を集め、切り取り、混ぜ、つなぎ直し、"情報を表現する"ことが目的です。
表現とは、辞書によれば次のような意味を持ちます。
内面的・精神的・主体的な思想や感情などを、外面的・客観的な形あるものとして表すこと。また、その表れた形である表情・身振り・記号・言語など。特に、芸術的形象たる文学作品(詩・小説など)・音楽・絵画・造形など。
Web2.0の楽しさ。それは技術やデータをソース(素材)として、その上に付け加えられた新たな"表現"そのものなわけです。
ただアートが抱えている実用性という問題を引きずっているのも正しいでしょう。僕もAjaxを業務システムに使うのはどうかと思います。
でも僕は、システム開発はアートになりうると信じています。
多くの建築家が高い価値を提供し、評価される。まだシステム開発には最低限の安全性もルールもありません(だから偽造なんてしようもないわけですよ)。でも、いつの日か、そこに楽しみが産まれることと信じています。
ServiceMixによってGoogle MapとJBIを組み合わせる。SOAの技術をWeb2.0的に使うというのは、業務システムの未来をしめす僕なりのアートだったのかもしれません。
