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大企業がオープンソースプロジェクトから手を引くタイミング

 ご存知の通りIBMがGeronimoのサポートを正式に発表した(IDG 米IBMグルーコード部門、Geronimoのサポート・サービスも提供へ)。

 その影で目立たなかったのだが、ZDNet IBM、グルーコードの製品プランを縮小との報があった。

 以前のGluecodeは、オープンソースJavaミドルウェアスタックに関わるサービスを開発しようと考えていた。同様のサービスのオープンソース版を提供することで、主力ベンダーに価格面で対抗しようともくろんでいたのである。

 Gluecodeは買収される前、約10社の企業と契約を結び、Apacheが開発したJavaベースのウェブポータル「Pluto」向けの継続的なサポート/アップデートサービスを提供していた。Gluecodeはまた、「Agila」と呼ばれるApacheの別のプロジェクトにもコードを提供し、オープンソースJavaワークフローサーバの開発に貢献していた。

現在のところ、IBMにはオープンソースJavaポータルもしくはワークフローサーバプロジェクトに取り組む意図はないと、Cosbyは述べている。同氏によれば、Gluecodeのこれまでのポータル関連顧客は、サードパーティ企業へ委譲したということだ。

 理由は単純で、WebSphereに同機能のものがあるし性能もよいからだ。それだけにWebShpereがあるのに、(バージョン1もリリースされていない)Geronimoに肩入れするのは、よほど未来への期待が大きいことがわかるわけだが。

 で、この件についてbyechuさんからコメントをいただいた。

「IBMがGuleCodeの製品プランを縮小」という記事がありました。この大きな流れからすると小さな出来事かもしれませんが、なんだか妙に気になったものです。大企業の参入に、今後のOSSコミュニティのモチベーションはどう影響を受けるのだろうか!?

 僕はこの件については心配していない。そもそもGluecode自身がGeronimoに特化しようとしていたのをIBMが加速しただけだ思うからだ。
 ポータル製品(Plutoベース)は他社に移管したとのことだが、そもそもPlutoにコミットしていたわけではないのでPlutoのコミュニティには影響がない。
 GluecodeがコントリビュートしたAgilaはIBM買収前から動きがなくて厳しい状況だ(これ、Incubateに失敗する気がする)。ただServiceMix(BPELエンジン: PXE BPMエンジン:Drolls)の台頭もあって周りの期待もない。

 なので、この件に関してはコミュニティはほとんど騒いでいない。むしろGeronimoサポートへの歓迎の声が大きい(なので、うまいタイミングで発表したとも言える)。
 IBMとしても時間が立つほど手を引けなくなるので、早々に明確にするという判断は正しいだろう(先日はDerbyから手を引こうとしてブーイングだったので)。IBMは十分にコミュニティのモチベーションに気を遣っているわけだ。

 ただし、今後は安心できない。先日の変わっていく各社の立ち位置でも書いた

 "オープンなコミュニティ"の力が重要っていう認識は当然として、じゃあ、企業としてどうドライブするの?っていうのはまだ議論の余地があるだろう。

というやつだ。分別のない企業が、特定のオープンソースプロジェクトに大量にリソース(人・金)を投入した挙句に手を引くような事態が発生すると大問題になると思う。そして、こうした事件は必ず起きるだろう。

 オープンなコミュニティをドライブするときの教訓は、

- 手を出したら手を引かない(自分達が必要ないぐらい成熟するまでは)
- だから、手を出すときにはよく考える(でも、他社に発表されると難しくなるのでなるべく早く)

ということになる。悩ましいw。

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コメント (2)

byechu:

なるほど、IBMは覚悟を持っているということですね。「経営者と技術者の関係」といったレベルでも、大変な議論かも。blackdownのようなケース(古い?)もあるし。
勉強になりました。ありがとうございます。

yusukeです。不勉強でblackdownにそんな歴史があるとは知りませんでした。
http://www.changelog.net/log/1999/special/java-linux/
現在であればコミュニティの力もあるので同じ結論になるとは思いませんが、それにしても経営者と技術者には隔たりがあるんでしょうね。
今でもオープンソースを「無料だからよい・悪い」というような議論がまだあるのも悲しいことです。

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2005年08月12日 13:01に投稿されたエントリーのページです。

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