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ASTERIAで考えたノン・コーティングの意味

インフォテリア江島さんからASTERIA本をいただいた。ASTERIAは通常EAIにカテゴライズされる製品だろう。しかし、江島さんや社長のPinaさんの言われていることは、明らかにそれ以上の何かを狙っている。以前から興味があったこともあり、ありがたくASTERIA本をいただき読んでみた。なお、江島さんからは「斬っても良い」といわれているので、遠慮なく斬ることにする(笑)。


ASTERIA概説
インストールして一通り試してみたのだがASTERIAの本質は装丁に書かれている通り

さまざまな「つなぐ」をノン・コーディングで実現する統合<設計・開発・運用>プラットフォーム

というものだろう。ASTERIAの言う「つなぐ」というのは、インプットのデータからアウトプットのデータまでの加工の流れ(フロー)と考えてよいだろう。インプットのファイルを加工しながらRDB、Excel、PDF、HTMLなどに出力するというものだ。また、プラットフォームというのがミソで、フロー設計につかえるGUIベースのデザイナーとフロー運用に使うサーバがセットになっているため統合的に利用することが出来る。このお手軽さはいい感じだ。
また、Javaで実装されているためインストールも簡単だ(アーキテクチャとしてはちと古いようだが)。
こういった感じのビジュアルによるフロー設定型のアプリケーション開発というのは、それほど珍しいものでもないだろう。設定という意味ではEAIの延長にすぎないし、開発という意味では多くのWebアプリケーションが、既にXMLファイルによる定義を行っている(ビジュアルツールは少ないけど)。ただ、両者の良いバランスを持った製品というのは現時点ではそれほど多くない。そういう意味ではASTERIAのねらい目というのは悪くないように感じる。


エンジニアとしては楽しめなそさう
で、ASTERIAの感想は、正直言うと「楽しめなさそう」(「萌えない」と表記すべきだろうか(笑))。ASTERIAは僕の希望する機能をだいたい揃えている。しかし、フロー定義のXML情報はプロプライエタリなスキーマで保持されている。つまりデザイナーがなくては動かないわけだ。さらに小規模へのスケーラビリティを感じない。本に載っている実例はちょっとした部分で適用可能だが、それにしては価格(300万/1CPU)が高い。また、コンポーネントの追加開発をおこなうためには別途SDKライセンスが必要なようだ。

もちろん、ASTERIA自身は情報システム部門の方をターゲットに作られているわけで、エンジニア的要素は必要ないのかもしれない。


ASTERIAへの期待
しかし、あえて言いたいことがある。

僕はノン・コーディングはまやかしだと考えている。JavaでいわれているEoD(Ease of Developmenet)とは、開発の容易性というよりも開発の分離を目指したものだ。つまり、ノン・コーティングな人と、コーティングな人がそれぞれの仕事をできるようにすべきだということだ。

実はインフォテリアさんの製品を評価したのはこれで2回目だ。以前は、WebEDIサイトを開発する際に製品を使ったサンプルを作成した。そのとき営業さんに話を聞かせいただいて印象的だったのがツールへのこだわりだった。iPEXなど開発者向けのものと、iMaker for Excelなどの一般ユーザー向けと2種類をうまく使い分けているなと感じた。

それをさらに進化させて、ASTERIAが開発者と一般ユーザーが協力し合えるプラットフォームとなることを期待する。そういった意味では、ASTERIAはもっと小さくなれるし、もっと安く出来ると思う。ASTERIAがそんなに一人で抱えることはない。データだけでなく、もっと多くの人を「つなぐ」ことこそが大事なことではないだろうか。


ノン・コーディング=フロー制御アプリケーション
今年に入りソフトウェア開発でのフロー制御がさらに注目されている。Spring FrameworkのWebFlow、Apache BeehiveのPageFlows。Struts Shaleにもフローエンジンの搭載が予定されている。一方、ESB・BPM業界もBPELを軸にサーバベンダー・EAIベンダー・ERPベンダー入り乱れての攻防を繰り広げることになる。そして、すぐ先にはSOAが控えている。

SOAの重要コンセプトの1つはアクターごとの利用レベルの分離だ。エンドユーザーがさわるフロントエンドのUI層(ポータル)、情報システム部門がさわるするビジネスよりのサービス層、そしてエンジニアがさわるコンポーネント層。それぞれのレイヤーはそれぞれのユーザーのためにフレームワークを提供し、ユーザーはそれぞれで可視化された情報をカスタマイズする。

これからの開発はエンジニアだけのものではなくなるだろう。というか、開発と運用が渾然一体となった成長できるシステムが求められるはずだ。そのためにはなにができるのか。面白い課題である。


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コメント (5)

kenn:

非常に的確なコメントをいただき、ありがとうございます。ご賢察の通り、細々としたインターフェースが100とか200とかある大企業で使われています。単純労働の置換なので、エンジニア「萌え」はないですよね、やっぱり(笑)。まずは、もっともっと色んなところで気軽に使えるようにしたいなーと思っています。

yusukeです。kennさん、コメントありがとうございます。デザイナーにプラグインしてメニューが追加できたり、サーバにプラグインして動き増やせたりすると萌えるのですが(笑)。
ASTERIAは単純労働の置換ですが効果は高いでしょうね。大抵の変換パターンには対応できそうです。使いたいところはあるのですが、100とか200とか数がないとコストパフォーマンスが見えないのでしょねぇ。今後の方向性に期待です。これからもよろしくです。

kenn:

プラグインですよねぇ。on Eclipseでデザイナを書き直したいという欲望は開発部から出ては消え。。。(笑)
そっちに足を踏み入れるとまたひとつ、ビジュアルスクリプティングの死骸を増やしてしまうので、ガマンガマン。
事業戦略ってガマン比べみたいなもんなんでしょうか。。。

yusukeです

> 事業戦略ってガマン比べみたいなもんなんでしょうか。。。

なるほどねぇ。リソースは有限だし時間は過ぎますからね。未来のために"今"なにをすべきかというのは難しい問題ですよね。

HgCdTe:

戦略とは「何をするか」ではなく「何をしないか」を
決断していく事なんでしょうね。

他人の芝生は青いじゃないですが、気になってしまうん
ですけどね。。。自戒を込めて。

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2005年05月23日 00:40に投稿されたエントリーのページです。

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