久しぶりのニュースクリッピング(しかも、遅)。マイクロソフトが、Groove NetworkというP2Pグループウェア会社を買収したという話。
「仮想オフィス」をMS Officeに統合――Groove買収の狙い
「Longhornにとってピア・ツー・ピア機能は重要」――ゲイツ会長がGroove買収の理由を語る
ロータスノーツの生みの親、マイクロソフトCTOに就任へ
そもそも、Groove Networkは、ロータスノーツの開発で知られるRay Ozzie氏が、1997年10月1日に創立した会社。3年間極秘でなにやら開発を進めた後、2000年にP2Pのコラボレーションツールであることが発表された(Notesの産みの親の極秘プロジェクト)。その後、2003年3月にマイクロソフトから出資を受ける(グルーブネットワークス、3800万ドルの追加出資を獲得)が、一方で、もう一人の重要人物Mitchell Kapor氏が辞任する(
Lotus生みの親がグルーブネットワークスを辞任)など、ちょっとした波乱もあったようだ。
そして、Version3では、MS Officeとの連携が強く意識され(P2Pコラボレーションソフト「Groove」に新版--Windowsとの連携強化)ていた。そのため、今回の買収は、妥当な流れということで、それほどの意外性はない。ただ、Notesの開発に携わったOzzie氏が、(4人目の)CTOに就任するということは、なにやら運命的なものを感じるので面白い。ま、Kapor氏がいたら実現しないんだろうけど。
僕が関心があるのは、これによりP2Pが一般に普及することが決定的になったことだ。次期OS Longhornにどれぐらいの機能が入るかは不明瞭だが、将来のパスの中には、MS Office全製品のP2P対応が入っているのではないだろか。
ところで、次期アプリケーション概念として有力なSOA(サービス指向アーキテクチャ)は、すべての機能をサービスとして公開することで、そこから個人に必要な情報を横断的に抽出できるということにある。現状のSOAの場合、現状のフロントエンド技術の不明確さから、サーバサイドに重きを置かれている場合が多い。つまり、既存アプリケーションのラッパとしてSOAツールが機能し、フロントエンドにそれらを合成した情報を表示するわけだ。
しかし、P2Pであれば、主人公は一気にクライアント側(というか、サーバでもあるのだが)に移動する。となると、従来のサーバにおける"合成"の役割がどうなってくるのだろうか。つまり、P2Pアプリケーションがフロントエンドになってくると、企業アプリケーションの概念が大きく変わることになると考えられる。
MS Office自体、自立した製品で、サーバとの連携は得意ではなかった。ま、XML対応したことで、理論的にはサーバとのフロントエンド機能を持つという方向に進んだわけだが、実は、MSの狙いは、あくまでもクライアント側に主役を置くことではないか。また、Longhornには、IndigoというWebサービスエンジンがつまれる。従来、サーバ側にあった機能を、どんどんクライアントに移植しているのだ。
クライアントがWebサービスとP2Pを手に入れた後、企業アプリケーションはどう変わるだろうか。かなり楽しみなだ。
