あまり、こういう自己啓発ものは読まないのだが、mojixさんのエントリ山本真司 『30歳からの成長戦略』に触発されて買ってみた。たしかに面白くて、一気に読んでしまった。それは、最初に会ったこの文章にやられたからだ。
「スキルを身につけてどうするのか。そんなに焦ってどうするのか」。そう問い詰めると、ある三十歳になる若者は、真剣なまなざしで私に言い放った。自分でも情けない。しかし、どうしようもないんだという苦渋の表情でキーワードを口にした。
「我々の世代は、あなたの世代と違って自己表現なんて高嶺の花なんです」
「生存できるかどうか、不安で仕方ないんです」
筆者は、この理由を、終身雇用の崩壊により、負け組みになることへの恐怖が増長され -> スキルがあふれる中で、必死にそれらを取り込もうとするが、すべてを学びきれず -> そして、そういう世代の具体的な目標モデルがいないためだとしている。これ、ものすごいわかる。実感そのものである。
で、本書で示されているのは、こうした現状に対して明確な成長戦略を持とうというものだ。概要は、mojixさんのエントリに良くまとまっているので、そちらにゆずる。
僕が興味を持ったのは思考・発想法の話だ。通常は、ロジカル・シンキングが浮かぶが、これの問題点を指摘する。
単純明快さ、要するにシンプルということが人を魅力するのである。
しかし、この論理の力であるシンプルさは悪魔を宿し、限界を生み出しているのだ。
論理的指向の限界は3つある。①現実的でない回答が出るときがある、②面白くない回答しか出ない可能性がある、③他人が頭で理解しても、心で理解してくれない可能性がある。 - という3つである。
科学的合理主義では、全体を全体のままに観察することはできない。全体を部分にわけて、その部分を検討するのである。しかし、人間の精神を部分に分けることはできない。
そこで、筆者が提案するのが全体思考法だ。
したがって人間が関わるビジネスや経営は、全体を切り分けないでありのままに観察する必要がある。 <中略> そして、論理、すなわち因数分解と因果関係にたよらず、直感で課題を発見する。
これ、実は先日のエントリDeep Smartsという概念に近いと思う。筆者は、全体思考法を養うためには、イメージ・アーカイブが必要だと唱えているが、なかなかうまいところをついていていると思う。詳細を本を読んでいただきたいが、ようは、どんな小さな経験であっても、それを絵(イメージ)として意識的に記憶しようとすることで、引き出しが増えてくるというものだ。しかも、絵で覚えると、違うビジネスシーン(あるいはプライベートシーン)であっても、応用が利くことが多いため、直感的なひらめきの幅が増えるというのだ。
そして、これだけでは終わらない。この論理思考と全体思考を、極端に両極でキャッチボール紙ながら行うことによって(真ん中に妥協してはいけない。あくまでも両極に立つことが大事)、考えを研いでいくのだ。
僕が、この本で感じたのは、成長とは、単純に自己を研鑽するということではなく、相手を尊重する心と、そのために必要なスキルを身につけなさいということだ。なぜなら、ビジネスには必ず相手がいる。そして、社会がある。自分を磨くというと聞こえがいいが、それは、自己中心的な我欲の追求に陥ってしまうことがある。相手があっての、社会があっての自分である。
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コメント (2)
始めまして。お邪魔します。著者です。
大変素敵で適切なコメントどうもありがとうございました。
こういうコメントを頂くと、執筆の苦労が報われた気がします。
これからもよろしくお願いしますね。
私もブログを持ってます。時々除いてください。
ではでは。
山本真司
投稿者: 山本真司 | 2005年01月22日 12:56
日時: 2005年01月22日 12:56
arclamp.jpのyusukeです。山本さん、コメントありがとうございます。この本を読んで、自分へのよい忠告となりました。最近、学びたい知識がありすぎて悩んでいたのですが、この本で、無理しなくていいことが理解できて、吹っ切れました。逆に、人が読んでいない本を読むように心がけています。
これからも、よろしくお願いいたします。
投稿者: yusuke | 2005年01月23日 00:01
日時: 2005年01月23日 00:01