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RFIDの問題点はなにか?

なんか、最近RFID関連のエントリが多いのだが。RFIDの課題と普及への視点より。

さまざまな用途を期待されるRFIDも、実現可能な機能の現状についてはあまり語られないため、実用面でのギャップに驚く人も多い。

ひとつは読み取りの性能(精度)の問題である。製品の種類にもよるが、たとえば倉庫の商品管理では、一度に数百個のタグを読み取ることや、自律的な発信機能のないタグで数メートルの距離まで電波を飛ばしたりすることは難しい。

もうひとつはコストの問題である。現状ではタグの製造コストは1個100円前後のため、バーコードの代替としては使用できる商品が限定されよう。

うーん。RFIDの技術的な問題点ではあるかもしれないが、本質的なことではないと思う。これらは、将来において解決される問題であって、これを議論してもしかたがない。RFIDには、もっと本質的な課題がある。それは、「プライバシー問題の解決法が見えてない」ということと、「RFIDの適用範囲が明確でない」ということだ。


プライバシー問題の解決法が見えてない
まず、プライバシー問題の論点を明確にしたい。RFIDタグには、固有番号がついている。その番号自体は問題ではない。問題点は、その固有番号を本人に気づかれないで、容易に盗める可能性がある点だ。これは、RFIDがワイヤレスでの読み取りを前提としているためだ。
たとえば、あるブランドバッグの固有番号と個人を紐つけた資料を悪用するとしよう。現在は、商品に固有番号が書きこまれている。そのため、商品を盗難されない限り個人の特定は難しい。しかし、RFIDタグでは、盗難する必要もなく、ただ隣にいるだけで固有番号が取得できる可能性がある。これは、暗号化などの技術では解決できない。ハッキングは、必ず起こる問題だからだ。

一番簡単な回避策は、そもそも、RFIDタグを利用可能なまま消費者に渡さなければ良い。単純には、RFIDタグの回収や無効化が考えられるが、ま、運用については検討課題も多いだろう。


RFIDの適用範囲が明確でない
RFID:ウォールマートが動き始めたでも述べたことだが、RFIDを用いたサプライチェーンを完全に構築しても価値があるか分からない。これについては、今日、ちょうどよい体験をした。


ブランドショップで感じたRFIDの適用範囲
今日、妻と買い物していた時のこと。妻が、以前買ったパンツにあわせるニットを探すため、そのブランドショップに立ち寄った。すると女性店員が「お久しぶりですね」と話しかけてくれた。確かに、1ヶ月以上前に、彼女からパンツを買ったのだ。よく覚えていたものだと、感心してしまった。
以前、僕が、百貨店のシステムに関わっていた頃、ハウスカードにRFIDタグを付けたらと考えたことがある。売場にきた顧客をリアルタイムに特定し、購買履歴が参照できれば、適切な店員が適切な対応ができる。しかし、これはプライバシー問題をあまりにも無視している。
そして、彼女は、そんなシステムがなくとも、顧客を覚えていて適切に対応することができた。もちろん彼女は妻が買ったパンツを覚えていて、結局、妻は彼女に進められたニットを買うことにし、ブランドロイヤリティが高まった。
僕は、その彼女がもっと接客に集中できるように、RFIDによる在庫管理ができたら良いと思う。いちいち箱を開けて商品点数を確認する仕事は、彼女にとっては必要だが生産性のあることではない。


一番の問題は、RFIDの問題点の履き違え
何度も言うが、精度やコストは本質的な問題ではない。それよりも、これらの技術的な問題が解決された時点で、本質的な問題に対する、ある程度の解決策が見えてないことが怖い。価格はある日突然さがるだろう。結果、急激にRFIDが浸透してしまい、本質的な問題が置き去りにされるのだ。
RFIDがあれば、なにができるのか。それを、消費者や、ユーザーの視点で考えて見て欲しい。

11/12追記 Wal-Mart、RFIDシステム導入に30億ドルより

 Wal-Martは、RFID(無線ICタグ)を使った新しい在庫追跡技術に今後数年で30億ドルを投じる計画だ。  RFID予算のうち約3分の2は、読取装置および100カ所以上の配送センターと数千店の店舗にこれを導入する経費に使われるという。  残りの予算は、新システムによって収集されたデータの回収、処理、保存用のハードとソフトに使われる予定。

うーん、すごい額だ。回収できる見込みがあるとすれば、すごいことだ。なんにせよ、ウォールマートは、本気みたいだ。

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2003年11月09日 23:02に投稿されたエントリーのページです。

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